声優になるためにはまず、与えられた台本や内容を自分の声でしっかりと伝える能力が必要です。
ですが、いくら滑舌や発声が良くても、それだけでは声優としてデビューするのは難しいでしょう。
プロの声優として活躍するためには豊かな「表現力」を身に付けなれければなりません。
そこで今回は声優の必須スキル「表現力」を磨く方法をお話ししていきたいと思います。
表現力と演技力の違いについて
表現力と同じような言葉で演技力というものがあります。表現力と演技力については次のような違いがあります。
・見物人の前で芝居・曲芸・歌舞や、体操などの技を行って見せること。また、その技。「模範演技」
・本心を隠して見せかけの態度をとること。「ことさらに仲のよさを演技する」
出典元:コトバンク
一般的に演技力とは主に舞台や演劇などで与えられた役を演じる能力のことを指します。
・心理的、感情的、精神的などの内面的なものを、外面的、感性的形象として客観化すること。
・また、その客観的形象としての、表情・身振り・言語・記号・造形物など。
出典元:コトバンク
それに対して表現力は心の中に沸き上がってくる喜びや悲しみ・愛情や寂しさなど、形には表せない心境や感情を声や表情・身振りを通して伝える能力です。
同じような意味で使われる事も多いですが、厳密に言うと表現力と演技力はこのような違いがあります。
表現力は体験したことでないとわからない
例えば学園祭や文化祭の出し物でロミオとジュリエットの劇をやるとしましょう。その時にあなたはジュリエット役を演じることになりました。
あらすじはネタバレになるので割愛します。練習をすればジュリエット役を上手く演じることはできると思いますが、観ている観客の心をつかむ演技をする為には豊かな表現力が必要です。
ロミオと恋に落ちた時の胸のときめき、悲しみなどの心情など、あなたは100%表現できる自信がありますか?
「自信がある!」と心から答えられる人は素晴らしいので言うことはありません。ですが、大抵の人は心情を100%表現するのは難しいと思います。
「それは、自分が実際に体験していないからです。」
好きなアーティストのライブチケットが当たった時の嬉しさ、大好きなペットが亡くなった時の悲しみ、親から理不尽に怒られた時の苛立ち(いらだち)など…
例を上げたらキリがありませんが、こういった心から湧き上がる感情は体験しことがない人にはわかりませんよね?
豊かな表現力を身に付けるための方法!
そこで豊かな表現力を身に付けるために、自分の興味のないことにも意識を向けてみましょう!
例えば、普段は読まないような本を読んだり、興味のなかったジャンルの音楽を聞いたり、朝食はパン派の人はごはんを食べてみたり、何でも構いません。
その他にも通学路を変えてみたり、美術館に行ってみたり、普段話さない人と話をしてみたり…豊かな表現力を身に付ける為には、色々な体験をすることが大切です。
人はどうしても慣れ親しんだ今の環境が変化する事を恐れ、自分の好きな事や得意な事ばかりをしてしまいがちです。
日常的に自分の興味ない事だけでなく、苦手な事や不得意な事にもチャレンジしてみると自分の知らなかった新しい発見がありますよ!
そこで得られた体験から湧き上がる心の中の感情を増やしていく事で、豊かな表現力が自然と身に付いていくでしょう。
まとめ
表現力を身に付ける方法について技術的な練習方法もありますが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。
心の中から湧き上がる感情は、いくらテレビや映画を観たり人から聞いたとしても、実際に自分で体験してみないとわからないものです。
表現力の引き出しを増やす為に、色々な初めての体験をしてみましょう!