声優を目指すみなさんが必ずといってもいいほど練習しているのが発声練習や早口言葉などの滑舌トレーニングだと思います。
中には「さ行」など特定の行をしゃべるのが苦手で舌がもつれてしまう…なんて人も多いのではないでしょうか?
滑舌を良くする練習方法はたくさんありますが、今回は意外と知られていない「音読」についてお話ししていきたいと思います。
音読と朗読の違いって何?
そもそも「音読」も「朗読」どちらも小説や本などを声に出して読む事に変わりはありません。ですが、厳密に言うと文部科学省でも区別されているように「音読」と「朗読」では少し意味が異なります。
音読
「音読」は、黙読の対語(たいご)だから、声に出して読むことは広く「音読」である。
「音読」は、正確・明晰・流暢(正しく・はっきり・すらすら)を目標とする。
出典元:文部科学省
音読は声に出して文章をすらすらと読めることを目標としていて、自分自身が文章の内容を理解する事を目的としています。
朗読
「朗読」は、正確・明晰・流暢に以下を加える。
ア 作品の価値を音声で表現すること
イ 作品の特性を音声で表現すること
(読者の受け止めた作者の意図・作品の意味・場面の雰囲気・登場人物の性格や心情を)
出典元:文部科学省
それに対して朗読は、聞いている人のために読む意味合いが強いです。小説など表現力豊かに声に出して読むことで、聞き手に作品の世界観や登場人物の心情などを伝えることが目的です。
小学校の国語の授業で先生から「〇〇さん3ページ目の○行目から読んでくだい」みたいな事ありませんでしたか?
あれって実は音読でもあり朗読でもあるんです。自分で作品を理解して聞き手に伝える事で、とても理にかなった勉強方法になっているんですよね。
意外と知られていない音読の効果!
本や小説を声にだして読むことで発声練習や滑舌トレーニングになるのはもちろんですが、それ以外にも「音読」には様々なメリットがあります。
読解力が向上する
本を読む時に黙読をするよりも、音読をすることで声に出した情報が耳から入ってくる事で、脳は耳から入った情報(内容)を理解しようとします。
難しい説明は置いておきますが、これを繰り返す事で脳内で情報伝達が活性化され読解力が鍛えられます。
声優を目指す人であれば渡された台本の内容を理解するのに、読解力はとても重要なスキルのひとつですよね!
コミュニケーション能力や集中力を高める
音読をすることで脳の前頭前野や大脳辺縁系などの活動が高まることがわかってきています。
脳の前頭前野と呼ばれる部分は気持ちや感情のコントール、想像力や表現力、他人とのコミュニケーションなどをつかさどる部分です。
一昔前に流行った脳トレのように、前頭前野を鍛えることでコミュニケーション力や気持ちや感情をコントロールして集中力を高めることができます。
音読のやり方
では実際に音読のやり方をご紹介していきたいと思います。
…とは言っても正直、難しく考える必要はなく音読する内容は何でもOKです。
自分の好きな小説やラノベでもいいですし、ネットのニュースでもかまいません。国語の教科書や参考書なんかは学校の勉強にも役に立つのでおすすめかもしれませんね!
ただ先程の話のように「アウトプット→インプット」を繰り返す内に、脳内で内容を理解してしまいます。
出来れば普段読まない本や今まで興味のなかった小説などを音読した方が、より脳に刺激を与えられるので効果があると思いますよ!
まとめ
朗読練習と音読練習の違いってあまりないように思えますが、練習の目的が朗読は「表現力など相手に伝える力」を磨くことに対して、音読は「自分自身の基礎能力」を鍛える練習だと思います。
「音読をしている」という事を意識して練習することで、発声や滑舌の練習になるのはもちろんですが、それ以上に読解力や語彙力も上がってコミュニケーション力もつくなんて最高だと思いませんか!
みなさんも「音読」を意識して練習してみてくださいね!